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つくり手の想い・技術がこめられた
ジーンズ・Tシャツ・アクセサリー・手作り腕時計など…
職人&作家ブランドのセレクトショップです。

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ブランド

graphzero(グラフゼロ)−倉敷・児島の新進デニムブランド!鈴木徹也さんほか、ジーンズの生地・染色・加工のプロたちが結集して手がける、オリジナルジーンズ、トップス
graphzero(グラフゼロ)
ジーンズ / トップス / etc.
レディース
禅(ZEN)−京でん代表・竜田昌雄さんがプロデュースする京都発和柄ブランド。連綿と継承されてきた京友禅や染色の匠の技を、手描きジーンズや手染めTシャツなど、ファッションを通じて発信
"禅" 京都発和柄ブランド
ジーンズ / トップス / etc.
YoriTo(ヨリート)−日本古来の伝統文化を過去から現代へ…日本伝統の染色技法や素材を生かした、新しい「和」のファッションブランド。京都発ブランド「禅」「達磨」を手がける京でんが展開
YoriTo(ヨリート)
ボトムス・トップス
「繭」−創業から100年以上の歴史のある京友禅の老舗・丸益西村屋さんが手がける、実際に使用されてきた伝統柄を生かした手染め和柄Tシャツ・草木染めジーンズ
京友禅 丸益西村屋「繭」
Tシャツ / 長袖 / ボトムス
京都の天然染め工房 手染メ屋・青木正明さんのオーガニックコットン天然染めTシャツ、天然染めジーンズ・ボトムス。天然染料の優しい色あいに癒されます!
手染メ屋 天然染め工房
半袖/ 長袖/ ボトムス/ etc.
銀工房AramaRoots(アラマルーツ)−京都・大山崎のシルバーアクセサリー作家・加藤心姿さんが手がけるブランド。手の込んだギミックを組み込んだアクセサリーや京都の和柄を生かしたアクセサリーを展開
銀工房AramaRoots
シルバーアクセ / 和柄ノ京銀
SEED 絵師・杉田扶実子−日本画の伝統や技術を確かに受け継ぎつつ、どこかに「遊び心」を加えた独自の作風の和柄手描きTシャツ・トップス
SEED 絵師・杉田扶実子
和柄手描きTシャツ/パーカー
saya1003−きものデザイナー・岩野沙綾香さんによる、やわらかな色調とタッチで描かれた、創作和柄の手描きTシャツ!
saya1003 岩野沙綾香
和柄手描きTシャツ
rolca on the notes(ロルカ オン ザ ノーツ)−倉敷・児島のナチュラル普段着ブランド!オーガニックコットンや上質のリネンなどナチュラル素材を使用したトップス・ワンピース・スカート・ボトムス
rolca on the notes
ワンピ /トップス /ボトムス
waltz for rolca
DEEP BLUE(ディープブルー)−倉敷・児島のレディースデニムブランド!穿くたびに、着るたびに身体になじみ、その人だけの色あいに変わっていく…日常に寄り添う服づくり
DEEP BLUE
ボトムス / トップス
備中倉敷工房−ジーンズの本場・倉敷ならではのインディゴ染めのほか、本藍染めや黒檀染めといった天然染め、刺子などの伝統的な生地など、「次なる伝統」を意識した技法・素材を生かした服づくり
備中倉敷工房
ボトムス・トップス
KS(ケーエス)−日本の手作り腕時計の先駆者、JHA・日本手作り腕時計協会代表 時計作家 篠原康治さんの手作り腕時計
"KS" JHA代表・篠原康治
手作り腕時計
渡辺工房−時計作家・渡辺正明さんが手がける、手作りならではの味わい深い表情、温かみがあふれた腕時計・懐中時計作品。素材には真鍮やシルバーを用いています
渡辺工房
渡辺正明・手作り腕時計
“GaTa”watch smith−時計作家・潟口真功さんが手がける、真鍮やシルバー、銅といった金属を手作業で加工し組み上げた、重厚感あふれる手作り腕時計
"GaTa"watch smith
潟口真功・手作り腕時計
東京・高円寺にて中野貴臣さんが手がける手作り腕時計ブランド“cota”(コタ)。アクセサリー制作の技術を応用して、真鍮やシルバーなどの素材でほとんどのパーツを手作りで制作した手作り腕時計・手作り懐中時計
cota(コタ)
中野貴臣・手作り腕時計
joie infinie design(ジョイ アンフィニィ デザイン)−“終わらない喜びを創り出す”…そんな想いを込めて制作された、大護慎太郎さんによる手作り腕時計
joie infinie design
大護慎太郎・手作り腕時計
Mari Goto(マリゴトー)−「かっこいい」と「かわいい」の共存がコンセプトの、時計作家・後藤麻理さんによる手作り腕時計
Mari Goto(マリゴトー)
後藤麻理・手作り腕時計
Gothic Laboratory(ゴシックラボラトリー)−デザイナー・柳井幸平さんと時計作家・後藤麻理さんによる“remaining time〜残された時間〜”がコンセプトの手作り時計ブランド
Gothic Laboratory
手作り腕時計
ARKRAFT(アークラフト)−時計作家・新木秀和さんが手がける、腕時計の伝統的・普遍的デザインを踏襲しつつ、手作りならではの味わいや温かみを融合させることを常に意識して制作された手作り時計ブランド
ARKRAFT(アークラフト)
新木秀和・手作り腕時計
ipsilon(イプシロン)−「一瞬の感覚を大切にし、その瞬間の感性で形にする」−時計作家・ヤマダヨウコさんによる手作り時計ブランド
ipsilon(イプシロン)
ヤマダヨウコ・手作り腕時計
vie(ヴィー)−滋賀のアクセサリー工房が新たなオリジナルブランドとして立ち上げた、カジュアルでお手頃価格が魅力の手作り腕時計
vie(ヴィー)
手作り腕時計
poussette(プセット)−がまぐち作家・小川大介さんが希少な輸入生地やデッドストック生地を独自の感性でセレクトして制作した、がまぐち・がまぐちバッグ
poussette(プセット)
がまぐち / がまぐちバッグ
革工房PARLEY(パーリィー)−厳選された上質な革素材と、その素材感を生かす職人の技術で、シンプルでありながら存在感のある革製品を制作
革工房PARLEY(パーリィー)
レザー製財布・バッグ・小物
達磨(だるま)−本印傳や本藍染め・柿渋染めを施したレザーなど、「和」の伝統と文化を織り交ぜた素材を用いて、ウォレットや革小物を中心に展開
達磨(だるま)
革財布・和小物
『お客様の誇りになる物創り』をコンセプトに日本製にこだわりながら、革小物を中心に展開するブランド”COTOCUL”(コトカル)。
COTOCUL(コトカル)
革財布・革小物
garage(ガラージ)−ダブルガーゼシャツをメインに、デザイン・パターン・縫製・染色など、服づくりの工程ほぼ全てを自ら手がけるガーゼ服工房
garage(ガラージ)
ふわふわ手作りガーゼ服
biancabianca(ビアンカビアンカ)− キャンドル作家・秋澤真衣子さんの手作りキャンドル。空や海、惑星などがモチーフのインテリアにもぴったりなキャンドルを制作されています。
biancabianca 秋澤真衣子
手作りキャンドル
nuri candle(ヌリ キャンドル)− キャンドル作家・福間乃梨子さんの手作りキャンドル。幻想的な絵本のような世界観のキャンドルを制作されています
nuri candle 福間乃梨子
手作りキャンドル
オリジナルの手すき和紙を主素材に、厳選された素材の魅力を十分に活かした、シンプルながらも表情豊かな、田畑教次さん作の和紙照明。
あかりデザイン工房
田畑教次さんの和紙照明
ORGANIC GARDEN(オーガニックガーデン)−オーガニックコットン(有機栽培綿)を使用し、脚を優しく包んでくれる靴下たち…「靴下の街」奈良県広陵町生まれのブランド
ORGANIC GARDEN
オーガニックコットンの靴下
IMPROVE MYSELF(インプルーブ マイセルフ)−東京・北千住にて、シブヤ製靴の桑原孝昌さんがデザインする、革靴・レザーシューズ・レザーブーツの町工場ブランド。
IMPROVE MYSELF
革靴・レザーブーツ
Dady(ダディ)−革製品の集積地である東京・元浅草にて、レザーベルトやウォレットを中心に手がける三竹産業さんの町工場ブランド。
Dady(ダディ)
レザーベルト・ウォレット
ANNAK(アナック)−オリジナルの洗い加工、手縫い、手磨きなどの丁寧なハンドワークで仕上げたレザーウォレット、レザーベルトなどを展開する、東京・元浅草の三竹産業さんの町工場ブランド。
ANNAK(アナック)
レザーウォレット・ベルト
sasakihitomi アクセサリー作家・佐々木ひとみ−生き生きとした動物・自然をモチーフにした、女性らしくノスタルジックな雰囲気の手作りアクセサリー・ピアス・ネックレス・リング
sasakihitomi 佐々木ひとみ
手作りアクセサリー
“sasakihitomi”佐々木ひとみさんと加藤由将さんの2人のアクセサリー作家による
ヘアアクセサリーブランド「二月」(ふたつき)
二月(ふたつき)
手作りヘアアクセサリー
エス 三浦砂織−透かし彫りなどの技法によって桜や蓮を表現した、優雅で繊細な和柄手作りアクセサリー・ネックレス・ピアス・リング・指輪
エス 三浦砂織
和柄手作りアクセサリー
haru nomura 草木染め作家・野村春花−茜や藍、柘榴、ログウッドなどの天然染料で染めたバッグ、ウッドビーズのアクセサリー・ネックレス・ブレスレット・ピアス・イヤリング
haru nomura 野村春花
草木染めバッグ・アクセ
moge(モゲ)山口光司−コンセプトは“身に着けるだけで優しい気持ちになれる、心につけるジュエリー”。月や星々、ネコやカエル、ラクダ、ゾウ、キリンといった動物たちがモチーフの手作りアクセサリー・ネックレス・リング・指輪
moge 山口光司
手作りアクセサリー
DECOvienya(デコヴィーニャ) 手作りアクセサリー ― 動物たちが日々直面している現実を、リアルにかわいく、時にはブラックなユーモアを交えて形にしたアクセサリーブランド
DECOvienya
手作りアクセサリー
OHFOREST(オーフォレスト) アクセサリー作家・ユージ大森 ― 木々のシルエットや森に住む動物や虫たちなど、自然のフォルムから感じる優しい形を表現したアクセサリー・ネックレス・ペンダント・リング・指輪
OHFOREST ユージ大森
手作りアクセサリー
Ventriloquist(ヴェントリロクィスト) ― 根本貴史さん・伊藤里恵子さんのデザインユニットが手がける、レザーや藍染めニットのがまぐちバッグ、レディースウェア
Ventriloquist
がまぐちバッグ
工房織座 ― 愛媛県今治市にて、昔ながらの織り機を改良し、独自の織りを追求して制作された、ストール・マフラー・キャップ・帽子
kobooriza−工房織座−
ストール・マフラー・帽子
MOUNTAIN DA CHERRY(マウンテン ダ チェリー) ― 岡山県倉敷産の帆布を使用したトートバッグ・かばん・巾着
MOUNTAIN DA CHERRY
倉敷帆布のトートバッグ
ウールのバッグ フェルトのバッグ ニット編みのバッグ
POUR LA PAIX
ウール素材のバッグ
PEARL FISHER(パールフィッシャー)−バッグ作家・西周さつきさんが手がける帆布とレザーのトートバッグ・ショルダーバッグ・ボストンバッグ
PEARL FISHER
帆布とレザーの手作りバッグ
Lano(ラノ)−アクセサリー作家の平野朋晃さん・平野未央さんが手がける、真鍮と天然石の手作りアクセサリー・ピアス・ネックレス・リング・ブレスレット・手作り腕時計
Lano(ラノ)
真鍮と天然石のアクセサリー
marship(マーシップ) ―アクセサリー作家・沼尻慧(ぬまじり・さとい)さんが手がける、「秘密の森」に住む動物・植物たちをモチーフにした手作りアクセサリー・ネックレス・リング・指輪
marship(マーシップ)
動物・植物のアクセサリー
ブロンズ造形作家・コイズミタダシさんが手がける、コビトのブロンズオブジェ・ブックマーク・ネックレス・リング
造形作家・コイズミタダシ
コビトのオブジェ・アクセ
アクセサリー作家・磯 俊宏さんが手がける、雑貨やファッション小物をミニチュアにしたようなネックレス・リング・ピアス
small right
ミニチュア小物アクセ
おりがみトート−日本一の帆布の産地・倉敷の帆布職人さん、デニム職人さんたちのご協力を得て、生地から特注して制作していただいた、当店オリジナルのトートバッグ
おりがみトート
舟形トート / リベットトート
pure blue japan(ピュアブルージャパン)−国産ジーンズの本場である倉敷・児島にて、ジーンズをメインに展開するブランド。染色手法や素材、織りを工夫し、様々な「ブルー」を表現!
pure blue japan
ジーンズ / トップス
MIZRA(ミズラ)−拠点とする京都の伝統、文化を肌で感じながら、高度な生地加工や染色、グラフィックによる表現を駆使し、素材に独自の表情を加えたリアルクローズ
MIZRA(ミズラ)
ボトムス / トップス / etc.
京都発デニムブランド mizra(ミズラ)−「和的洋装」をコンセプトに、日本伝統の染色・伝統工芸の技術と、独自の生地加工技術を融合させたジーンズやトップスなどを手がける京都発ブランド
mizra(ミズラ)
ジーンズ / トップス
mellow out(メロウアウト)− グラフィックデザイナー・籾山佳範さんが手がけるオリジナルブランド。ポップでクールなデザインの中に、さりげなく心にひびくメッセージもちりばめたTシャツ
mellow out
デザインTシャツ
絵師・冬奇(ふゆき)−京都を拠点に活動する京友禅絵師にしてアーティスト。日本画や京都の伝統技術と独自の感性を融合させた作品も制作されています。
絵師・冬奇
絵画作品

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作り手インタビュー 〜創作の現場から〜 一覧
銀工房AramaRoots(アラマルーツ) シルバーアクセサリー一覧


作り手インタビュー 〜創作の現場から〜
銀工房AramaRoots(アラマルーツ)・ 加藤心姿さん

「自分だけの技術、自分だけの作品を
生み出し続ける挑戦を続けたい。」


作業用の大きな机が構えられた工房にて。使い込まれた道具が積み重ねられた手仕事の確かさとストイックな創作姿勢を語ります。

今回お訪ねした「銀工房AramaRoots(アラマルーツ)」は、2000年に加藤心姿(しんし)さんが立ち上げたアクセサリーブランド。

多彩なアプローチから創作される作品たちは、 長く愛着をもって身につけられるアクセサリーとして多くのファンの心をとらえ続けています。

その工房があるのは、天王山の西に広がる閑静な住宅街の一画。 豊かな自然に恵まれ、数々の歴史の舞台ともなった神秘の地は、 創作へのインスピレーションを育むにふさわしい場所です。

職人気質とともに、多趣味でお茶目な一面も持ち合わせた加藤さんですが、その根底にある、もの作りへの熱い思いが伝わるインタビューとなりました。


立体作品を作りたいという欲求をアクセサリーに


─もの作りは小さな頃から得意だったんですか。

幼い頃に家族で京都に移り住んだのですが、もともと両親ともに出雲の出身で、祖父は仏像や仏壇をつくる職人でした。

祖父の仕事場の様子や木の匂いは、今もおぼろげに覚えています。その血を親戚で唯一ひいたのが僕だったみたいで、おもちゃの代わりに紙と鉛筆を与えられて、漫画を描いて満足しているような子どもでしたね。

わりと、まわりがびっくりするようなものを創作していました。高校も美術系に進んで、その頃から漫画家になりたいと思い、ずっと描いていました。結局、漫画家は断念したんですが、その後はゲーム会社でキャラクターデザインの仕事をしたり、フリーでグラフィックデザイナーをしたり、趣味でオブジェ的なものを作ってフリーマーケットに出たり…と、さまざまな形で創作にかかわってきました。


─紆余曲折はあれど、創作ひとすじだったんですね。その終着点がジュエリーデザイナーだった?

30代になったときに、立体的な造形をきちんと仕事になる形で学びたいと考え、働きながら宝飾の専門学校に通い始めました。トシも30を過ぎているし、これからはこれで食べていくんだという思いがあったので、貪欲に学びましたよ。


─その成果は早々に出たのですね。

まわりにも必死に働きかけたこともあり、ありがたくも友達の紹介などで、早い段階から注文のお声がけをいただくようになりました。

注文を受けてからわからないところは学校で先生に習いながら作るという状態でした。「銀工房AramaRoots」を立ち上げた2000年は、まだ在学中で昼間はサラリーマンでしたが、徐々に注文が増えてきて、なんとかこれ1本にシフトできた感じです。

結局、学校は3〜4年通って覚えるべきことはほぼ覚えてから辞めました。



現在も根強いファンのため、ブランド初期のシルバーアクセも作り続けています。人気のアクセサリー専門誌『シルバーアクセ最強読本』の新鋭ブランド読者投票企画で2位に選ばれたことも。右のネックレス「ヴァジラ スタンダード」は密教法具がモチーフ。現在もクラフトカフェにて取り扱いさせていただいている作品です。

─ブランド名「Arama Roots」の由来は?

「私の魂」を意味するアイヌ語「Aram」と「道のり、起源」を意味する英語の造語です。「わが魂の起源」という意味になります。次代のアクセサリーのルーツになれるような魂のこもった作品を、という思いがこめられています。

アイヌ語を使っているのは、当初、アイヌ文様のジュエリーをつくっていこうと思っていたからなんです。でも数作で飽きて、作らなくなってしまった(笑)。

それからは、ハードなメンズ系のシルバーアクセサリー、中にバネを入れて動かしたりする、ギミックで凝ったものなんかを好んで作っていましたね。


─今とは全然違う作風ですね。

男の子ですから(笑)、やっぱりメカメカしたものやロボットが好きで。しかし労力と価格が釣り合わないという問題がありました(笑)。






シルバーアクセでご縁ができた俳優のお客さまの依頼で、あの世界的監督のディレクターズチェアを制作。背もたれの両端に天使のシルバー製オブジェが付けられたチェアは、映画「アキレスと亀」のパンフレットでも紹介されました。2008年の作品です。
その時の当店ブログはこちら。

手にする人の喜びが創作へのモチベーション


─現在のような女性向けのアクセサリーにシフトされたきっかけは?

百貨店の催事などで販売させてもらう機会が増えてからですね。やはり百貨店という性格上、来てくださるのは女性がほとんどだし、女性メインにしないとブランドとして成長できないと思ったので。

だんだん線を細くして、蝶や花など、自然をテーマにしたものを増やしていきました。


─テイストの全く違うものを作るのに、抵抗はなかったのですか。

始めはありました(笑)。でも。お客さんとのコミュニケーションの中で喜んでくださる姿を見たり、大切にしていただけることがわかったりすると、やっぱり凄く嬉しくて励みになりました。

それに当時の彼女…今の妻ですが、が、こういうもの、ああいうものという要望を言ってくれるので、なるべく聞くようにして。



加藤さんの奥様、直美さん。写真は京都で毎年、春と秋に開催される「京都アートフリーマーケット」の様子(2016年03月20日撮影)。

─今では「Arama Roots」の販売やウェブを担われている奥さま!まさに二人三脚は、そこから始まっていたのですね。

そうですね。猫なんかも彼女の要望で作り始めました。僕自身、猫は好きでずっと飼っていたのですが、作品にする気はなかったんです。

こういうリアルで立体的なものは世の中にあふれていたので、自分が作ることに興味がなかったんですね。もともと興味を持っていたのは、複雑なデザインだったから。

でも、10年以上アクセサリーを作ってきた中で、自分らしさを入れていく技術が身についたので、やってみようかと。


─加藤さんが手がけられる猫の特徴とは?

僕のは、たぶん漫画なんです。実際の猫をモデルにしながら作るのですが、そのままリアルな猫ではなくて、ほんの少し頭と目が大きく、胴が短い。僕なりの愛らしさを入れるというか、かわいいなと思うところを強調しています。

ただ、やりすぎると幼稚になるので、そこはバランスを注意しています。大人の女性のための猫ですね。




デザインやアイテム数も増えた猫シリーズ。お客様との対話のなかで、モデルチェンジすることも(画像は「パールと猫のネックレス」)。


作品のモデルもつとめる、愛猫のグリとラテュは4歳のきょうだい(2016年5月現在)。三毛猫の方がメスの「グリ」、茶トラの方がオスの「ラテュ」です。


加藤さん「細い子がモチーフになっている作品はグリ、ちょっと丸い子はラテュがモデルです(笑)」。


お手頃な価格で好評の猫ピアス。左のだらんとした猫ピアスは「グリ」右の丸まった猫ピアスは「ラテュ」がモデルです。


─猫に始まって、今では動物シリーズも広がっていますね。

お客さまのリクエストを聞きながら作っている部分も多いので、犬やうさぎも加わりました。特に犬のリクエストは増えていますね。まだまだ犬を作る作家は少ないので、注目していただいているのではと思います。


─本当にどの作品も愛らしいですが、作るときはどんなことを心がけていらっしゃいますか。

やはり生き物がモチーフですから、語りかけるような雰囲気を大切にしています。型があがってから一度いぶして、磨きをかけるのが最終工程になるんですが、毛並みの1本1本まで丁寧に、まさに魂を吹き込むつもりで仕上げます。

特に目だけは別に、光るいぶし加工をして、生きているような輝きを宿らせます。だから同じ型でも、できあがると一匹ずつ表情が違うんですよ。うちの子として、愛着をもっていただけたら、作家冥利につきます。








ミニチュアダックスの愛らしさをリアルに表現した犬リング。デッサン力を生かして絶妙のデフォルメで起こした型に、シルバーを流して成型。いぶしをかけたあと、通常の何倍も時間をかけて磨き込み、仕上げられます。

─それから加藤さんの代表作としてはずせないのが、モルフォ蝶のアクセサリーシリーズですね。最近ではドラマでも使用されて注文が殺到したそうですが。

今は落ち着いています(笑)。これは、イギリスの貴族が好んだアンティークの中にモルフォ蝶の羽をガラスにはさんで宝飾にしたものを見つけて、これを現代の技術でやりたい!と思い研究しました。

材料は、標本に使用できなかったモルフォ蝶の羽ですが、日本では扱っていないのでまずは輸入する方法から調べるなど、一から手探りでした。

ガラスではなく樹脂で再現するにはかなり工夫が必要でしたが、長く樹脂のアクセサリーを作ってきて技術を身につけていたので、巧く加工する技法が編み出せました。他の誰にも真似できないものが作れたと自負しています。


─樹脂であの美しさをどのように作品化されたかは、企業秘密ですね。

もちろん(笑)。でも、作り始めて5年になるのですが、申し分ないクオリティでできるようになったのは、正直、最近のことです。

その間、なんといっても樹脂など材料のクオリティが格段に進歩しました。今作っているものは完璧に近いです。ですから、以前買っていただいたお客さまのものも、ご要望があれば、材料費だけいただいてメンテナンスをして、ほぼ新品に近い状態に戻します。

モルフォ蝶に限らず、送り出した作品に関しては、すべてメンテを承っています。修理できない素材は使っていないので。




世界一美しい蝶といわれる「モルフォ蝶」の羽を使用したアクセサリー。その神秘的で鮮やかなメタリックブルーは、色素ではなく羽の表面の不思議な微細構造によって作り出されていて、光の角度によって表情が変わります。

今欲しいのはジュエリーを自在に彩る技術


─作品それぞれに加藤さんのこだわりを凝縮されていることがよくわかります。一作ごとに新しいことにチャレンジされている印象です。

新しい技術を開発したいという思いが常にあって。自分が目指す、憧れとするものを自分なりの形で世の中に出していきたいんですよね。 特に、アクセサリーに色を入れたいとずっと思い続けていて、そんな中でモルフォ蝶にも出会ったのですが、樹脂はやはり永遠不変というわけにはいきません。

色を入れるには、ガラス製のものを組み込んでいくのが一番なんです。すると、たまたま古本屋で見つけた本で、ルネ・ラリックという19〜20世紀に活躍したフランスのジュエリー作家の作品に衝撃を受けました。それから調べれば調べるほどこの技術を自分のものにしたいと思うようになりました。




2016年10月、加藤さんはフランスへ。ガラスを使った作品作りの体験をされました。これをきっかけに、毎年フランスへ勉強へ行く事になったそうです。


ここからアラマルーツの新しい物語が始まりそう。ワクワクする瞬間です。

僕は手仕事でしか作れないものを作りたい。また、高級なものではなく、ポップで身近だけど安っぽくないものを提供したいと思っているんです。それにぴったりの技法だと思った。日本でいうと原理は七宝の技術と同じなんですが、それだけでは片付けられないものがあります。

ぜひこの技術を取り入れて自分の表現ができるようになりたいのですが、唯一、見つけた学べるところがフランスなんですよ。


─加藤さんの新境地、早く見たいです。

動くなら今しかないと思っているんですが、なかなか条件が整わなくて。幸い、昔から興味を持ったらまっしぐらという性格なので。まだまだ挑戦する意欲はあります。もう50歳ですから、最後の挑戦としてこの技術を身につけたいと思っています。



19世紀末から20世紀初頭に起こった美術運動「アール・ヌーボー」「アール・デコ」の両時代にわたって活躍したフランスのジュエリー作家、ルネ・ラリック。精緻な技を駆使したエマイユ・ジュエリー(ガラスと金属を組み合わせたジュエリー)の高貴な輝きは、今も人々を魅了し続けています。
日本では、伝統工芸の七宝焼き以外で、シルバーなどの金属とガラスを組み合わせた普段使いのアクセサリーはまだ少ないとのこと。ルネ・ラリックの作品は、加藤さんのこれからの創作活動のヒントになると考えているそうです。


2015年2月にはイタリア・ミラノのファッションフェア「ミラノ プレタ ポルテ」に出展。インタビューの時点(2016年5月)では未定でしたが、2016年9月に2週間ほどフランスに滞在し、ガラスを使ったアクセサリー制作技術を学ぶそうです。
加藤さんは落ち着きがあって、どちらかといえば物静かな感じの方ですが、そのチャレンジ精神と行動力はすごいです。


「ミラノ プレタ ポルテ」イベントポスターの前で。


─50歳なんて、まだこれからですよ。でも加藤さんは凄くポジティブですよね。

いや、小さい頃は引っ込み思案で気が弱くて、「どうせ僕なんか」って思ってる子でした。でもあるとき、気がついたんです。こんな考え方じゃダメだ、損ばかりしてる!悪い結果は全部自分で招いているんだって。それにはっきり気づいて、これからは考え方を変えようと思った瞬間を、今でも覚えてるんですよ。小学校にあがる前でした。


─それはずいぶん早熟な(笑)。

ですかねえ。でもそれから具体的にどう変わったかとか、人生がいい方向に進んで行ったのかとか、そういった記憶は一切ないんです。ただ、考え方として、常に前向きにはなりましたね。


─人生、どうにかなるって?

いや、「どうにかなる」ではどうにもならないです(笑)。ただ、なんとかしなきゃとそれに見合う努力をすることが基本だと思っています。ひと握りの天才は別としてね。

基礎力はとても重要だと思うし、僕はアクセサリーをやろうと思ったときに学校でみっちりと学んだので、時間はかかりましたが今も作家として活動できているのだと思っています。

いろいろまわり道もしましたが、たとえば頭の中で想像したものを立体的に形にできるのは漫画を描いていたおかげだし、努力してやってきたことがすべて、今の自分に役立っています。


─今後はどのような展開を目指しておられますか。

クラフトカフェさんにご紹介いただいて、異業種でもの作りに携わる人々とのつながりができたのは、本当によい刺激になっています。

みんなどんどん大きくなっていって、凄いなと思うし、ライバルとして意識もする。僕自身、本当に素晴らしい人々とのご縁に恵まれて、ここまでやってこれました。だからこそ、負けてはいられない。

作家ひとりの小さなブランドなのでそんなに手は広げられませんが、ゆくゆくは世界を相手に創作をしたいとも考えています。そのためにも、今の作品にヨーロッパのニュアンスをプラスしたくて、新しい技術を身につけることは必須なんです。

で、ゆくゆくは情熱大陸に出たい(笑)。何よりも自分が納得できて、より多くのお客さまに喜んでいただける作品を作り続けていくことが一番ですね。


─期待しています。ありがとうございました。



「自分は天才ではなく、普通の人。努力と縁と運だけでここまで来た」と語る加藤さんですが、求められる方向に照準を合わせつつ、作家としてオリジナリティのある作品に昇華する創造力もまた、稀有な才能ではないでしょうか。

柔軟にニーズに応えながらも、作りたいものに挑み続ける「芯」のある創作姿勢は、やはりアーティスト。これからどんな作品が生み出されていくのか、ますます楽しみになりました。

(愛猫のグリとラテュの画像、イタリア・ミラノの展示会の画像は、アラマルーツさんにご提供いただきました)

(取材日:2016年5月19日/文:ライター・森本朕世)

銀工房AramaRoots(アラマルーツ) 加藤心姿さん プロフィール

銀工房アラマルーツ 加藤心姿(かとう・しんし)さん

1967年、島根県出雲市生まれ。仏像職人であった祖父の影響で、ものづくりへの興味は人一倍強く、豊かな想像力にも恵まれる。

その後京都へ移住。美術系学校を卒業後、グラフィックデザインやオブジェ制作の傍ら、日本宝飾クラフト学園に入学。シルバーアクセサリーの制作・デザインを学ぶ。

2000年に京都・大山崎にて「銀工房アラマルーツ」を設立。自らが納得のいく作品だけを、お客様にお届けされています。

銀工房アラマルーツ 加藤心姿さんのアクセサリー一覧はこちら

銀工房AramaRoots アイテム一覧



細部までこだわって作りこまれた
「魂」あふれるシルバーアクセサリー

京都の伝統技術や感性を、独自の技術で
シルバーアクセサリーに取り入れたシリーズ


作り手インタビュー AramaRoots 加藤心姿さん(このページのトップへ)
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